後藤です。
「夏の支度と見立て七夕展』に出品致しました作品を、順を追ってご紹介して参ります。
鎌倉彫 「高月器」(たかつき)
通常、高坏は真ん中がくびれた形をしておりますが、
この「高月器」は無垢でくびれがないかたちにしました。
上の面は錫を蒔いて「月」に見立て、
「高い夜空に浮かぶ月の器」という事で「高月器」としました。
「高月器-硝子」
鎌倉彫から生まれた硝子の練粉シリーズ
こちらの硝子の作品は、鎌倉彫を石膏で型を取り、その型に硝子の粒を詰め込み、
それを型ごと焼き物の様に窯で焼成します。
そのようにいたしますと、中のガラスが溶けて形が写し取れ、硝子による同じかたちの器ができます。
いわばガラスの鋳造です。
この技法は、古代メソポタミアで発明された、人類が最初にガラスを手に入れた手法です。
一見、新しいものに見えつつ実は鎌倉彫よりも、もっと古いというところにも魅力を感じました。
今回の「夏の支度」というテーマに沿ったものとしてシリーズ化して制作しました。
また、同じかたちを違う素材で制作し展示する事により、価値観をずらすというのは、
現代美術でもある手法のひとつで、今回の展覧会で現代美術の作家たちと一緒に展示したなかで、
相違点と共通点を探る私の一つの試みでもあります。
展覧会の会期は終了致しましたが、出品作品のご注文は随時承ってございます。
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